市町村合併にあたり、県はパンフレットなどの提供は行っているが、最も重要な役割を持つ市町村建設計画・将来のビジョンづくりや事業実施については明確な対応が見られない。
知事直属の組織の中で対処すべきと考えるが。
パンフレット作成の他、”21世紀鹿島地域づくり懇話会”や地元企業・労働組合との意見交換を通じ、合併合意形成に努めている。
合併協議会が設置された際には、市町村建設計画を具体的に検討し盛り込む事業については、計画策定段階から必要な助言・指導をしていきたい。鹿島地域の将来ビジョンについても、現在全庁的な立場から検討中であり、広域合併推進室も総務部地方課に設けてある。
鹿島開発は地元から話が持ち上がった訳ではなく、県主導で行われてきた。このことからも、神栖町や波崎町を含めた本来の鹿嶋市の発足を期待・実現するには、県の責任でやるべきである。
その為には、平成の鹿島総合グランドデザイン(海岸道路の整備・潮来インターから鹿島港を結ぶ高速道路や利根リバーサイド道路の整備・沖合人工島造成など)をするなど、住民がわかりやすいような地域イメージ像を作成し、地元に提示。県は総力をあげて実現に努力すべきである。
鹿島地域の将来構想については、平成2年度に”楽しい鹿島の都市づくり懇談会”を設置し、新しい鹿島の都市づくり構想を策定。
平成5年度には、鹿島広域都市圏整備計画を県と鹿島3町で共同策定。
更に平成7年には、これらを踏まえた総合的なグランドデザインを県長期総合計画としてまとめた。今後も、本県を代表する工業集積にふさわしい魅力ある広域的な都市づくりを目指し、鹿島1市2町が一体となって発展していくための新たなグランドデザインを策定していきたいと考えている。
規制緩和の進展、地価の動向によっては、県出資法人に膨大な赤字発生が予想でき、県財政への深刻な影響を及ぼすことが大変心配される。
内部監査によるチェックの強化・外部の公認会計士による特別監査の導入が行われているが、今までの行きがかりや面子を捨て出資法人全体のスクラップ・アンド・ビルドに鋭意取り組むべきである。
また、透明性を確保するために情報開示が求められているがその対処は?
平成9年の県出資団体調査特別委員会の提言を踏まえ、県としては行財政改革大綱において、実施法人等の見直しを推進事項として現在、着実に統廃合を進めてきている。
今後も社会経済情勢の推移にあわせ、鋭意努めて参りたい。情報公開については、平成9年10月より行政情報センターにその業務組織などの概要あるいは決算書を備え、県民が自由に閲覧できるようにしたところである。また、県が50%以上出資している団体には、県議会への経営状況の報告、情報公開条例案においては、県と密接な関係にある、一定の出資法人に対し情報の開示・提供ができるよう必要な支援を行うものとする規定を新たに設けた。
県出資法人の中には、時代の経過とともに当初の目的を達成した団体や設立目的事業以外の分野に進出し、赤字発生の原因を抱えている団体も見られる。こうした団体や部門は、速やかに民間に移譲したほうが良いと考えるが。
また、特定の地域に密着をし、地元の第三セクターと同じような事業を行いそれによって経営力を弱めている法人があるが。
これまでの県議会での指摘、国による三セク指導指針等も踏まえて今後とも行財政改革の一環として、出資法人の適宜適切な見直しに努めていきたい。また、同じ地域に関連性のある2つの第三セクターがある場合はその役割分担を明確にし、それぞれが本来の役割を果たしながら相互に協力しあって地域に貢献すべきと考える。
経営の健全をはかる上で最も大切なことは、出資法人における役員や幹部について、それぞれの役割に応じ適材適所の配置をすることである。従って、新進気鋭の人材を配置し民間で鍛え上げたプロを積極的に活用することが今この時代に問われるのでは?
ご指摘のとおり。県としては、出資法人から役員や幹部職員の推薦を要請された場合、本人の適性・受け入れ団体の条件を考慮し、コスト意識など経営感覚を持った人材が配置されるよう斡旋を行っていく。
近年、農業粗生産額(北海道を除く)第1位を千葉県に奪われたままである。格差は依然として縮小する兆しが見られない。この状況をどう認識しているか?
また、平成12年度は何に重点を置き起死回生方策を講ずるのか?
順位逆転は、農業者の生産意欲を減退させかねない出来事で、大変厳しいものと受け止めている。年々着実に進展している園芸部門の推進はもちろん米・麦部門や畜産部門も含めた具体戦略を立て、農業粗生産額都府県第1位の地位を取り戻すため努力している。
園芸振興方策として、生産から流通まで体系的にいかなる方策を講ずるか?
生産面においては、周年的な生産出荷を目指す施設化の促進や、機械導入による規模の拡大、新しい産地の育成、優良種苗の安定供給をする。
流通面においては、集出荷施設や子冷施設の整備、情報取引に対応した出荷体制の整備、産地の広域化、また”うまいもんどころ”を活用した茨城ブランドの確立と、園芸日本一テンアップ運動とを連立しながら全力を挙げて進めていく。
農業総合センターの活用の仕方、また農業に明るい展望を与えてくれるような有能な人材を確保することが大切であると思うが。
農業総合センターを核とし、できるだけ予算を確保しながらバイテクやハイテクなど最新の技術を活用し、新しい品種や新技術の開発に努めてきた。
人材の確保についても、専門性の高いすぐれた方に来ていただき、本県農家の要望や期待に応えられる人材の確保に鋭意努力してきた。
今後も茨城農業を活性化すべく、試験研究、普及を含む私どもすべての職員が何としても茨城農業を伸ばしていくんだという意気込み、魂を持つことで一日も早く都府県第1位の地位を奪回できるよう頑張ってまいりたい。
今日、青少年犯罪の凶悪化・若年齢化が指摘されている。これらは、大人が形作る社会(親子のふれあいの減少、他人の子供への無関心、性を売り物とする営業の拡大、有害情報の氾濫、深夜遊興の増加、暴力団の影響など)を投影するものである。
県は、こうした犯罪の多発など少年非行をどのように受け止め、どのような対策を講じているか。
きわめて深刻で憂慮すべき状況と考える。県としては、「県議会青少年健全育成調査特別委員会」の調査結果、青少年育成の指針に基づき、
①青少年健全育成に関わる関係者の研究集会の開催
②家庭や地域における教育の大切さを考える県民運動の展開
③青少年のための環境整備条例に基づいた有害図書等の指定
④24時間対応の子供ホットラインや、教育・子育て電話相談室の実施
⑤警察本部への少年サポートセンターの設置
など、関係機関や市町村及び関係団体などと相互に連携を図りながら、各種施策の推進に努めている。
児童養護施設や託児所、更には家庭で幼い子供が虐待され、死に追いやられる事件も多発している。
県は子供虐待防止のため、一般家庭・養護施設・保育所などに対し、どのような情報の提供、個々のケースについての指導をしているのか。
一昨年から、児童養護施設・保育所などの関係機関や一般家庭に向け、虐待相談の連絡先や虐待の発見通告のお願いを記載した、啓発カードやポスターを作成、配布した。また、シンポジウムの開催により県民意識の情勢を図ってきた。
個々のケースの指導については、昨年、児童虐待対策基本方針を策定し、児童の生命の安全を最優先に、速やかな家庭訪問の実施に努めている。また、児童養護施設等の施設長会議や、保育所・許可外保育施設への指導監査・監督において、施設内での児童の処遇適正化を指導。
事件が発生した場合の初動体制、他部門との連絡システムなども課題であると思うが。
児童虐待の早期発見、早期対応を図るため、
①児童虐待対策推進会議の設置(構成員・・・県医師会、弁護士会、民生委員児童委員協議会、教育庁、警察本部などの関係機関・団体)
②管内の関係機関等の代表者によるネットワーク会議の開催(児童相談所単位)
など連携を強化している。今年度からは地域レベルの対策として、児童虐待防止の啓発活動や、児童虐待の通告を行うボランティアの登録、市町村単位のネットワークの創設等も進めている。
経済の重要な基本要素でもある情報技術。しかし、県内の中小企業においては、企業活動にIT(情報技術)をどう活用して良いのかわからないところが多い。
こうした現状に対し、県としては今後どのように支援していく考えか。
今年3月から、中小企業振興公社内に中小企業情報化支援システムを開設。
また、インターネット研修の開催や、情報関連の専門家を中小企業に派遣し、ホームページの作成方法から経営や製造技術におけるITシステムの構築方法などについて、相談・助言を実施。IT活用を更に啓発・普及するため、今後民間有識者の御助言もいただきながら、支援策の充実に積極的に取り組む。
昨年8月、自治省が出した指針(平成17年までに市町村合併が円滑に推進できるよう、市町村の地域の現況と今後の展望、行財政の現状と今後の見通し、合併の効果と懸念される事項への対処、合併のパターンなどを内容とする要綱を平成12年の出来るだけ早い時期に策定すること)に対し、どのように対処する考えか?
現在の作業の進捗状況と、策定・公表の時期、合併推進の具体策は?
合併推進委員会を設置。合併パターン作成のため、多様な評価(自然的・地理的・歴史的条件などの市町村の特性や、日常生活圏としての市町村のつながり度合い、ゴミ処理や福祉等における広域処理など行政上のつながり度合い)を行っている。
また、全市町村長の意向聴取のためのヒアリング調査、住民に対するアンケート調査を実施。県としては、委員会からの助言を受け、12月中には市町村合併推進についての要綱を作成し、示したい。
県のこの1年間の鹿島合併に対する指導・推進について見ると、かねてから提案している合併後の姿、グランドデザインがいまだ地元に示されておらず、親身になった取り組みが全く感じられない。県は速やかにグランドデザインを提示すべき。
イメージ図の作成にあたっては、現在改訂作業を行っている県計画の新たなグランドデザインを基本として作成する必要がある。地元1市2町の以降を踏まえながら、合併に向けての世論づくりのための地域のイメージ図をつくる事を検討していきたい。
土木研究所跡地は、新生鹿島の中核となる土地。平成11年の合併特例法改正により、国は合併市町村の建設に資するため必要な財政上の措置、その他の措置を講ずるよう規定されている。地元の悲願を実現できるよう、国へ積極的に働きかけて欲しい。
鹿島地域のまちづくりの観点からも、貴重な土地であると考えているが、払い下げの用件・利用のあり方・財政負担といった色々難しい点もあるので、まずは地元市町や町内関係部局間で相談していきたい。
昨今の経済動向、地元との調整・連携状況を考えた上で、ホームページの開設マスメディアの活用による状況づくりに合わせ、経営陣に地元に定住する人材で市や町はもとより、企業・諸団体との連携を密にし、制度の高い情報を収集すると同時に、会社の業務内容を適切に発信し続けることのできる人材を加えることが大切であると思うが。
今後とも鹿島地域発展に貢献すべく、地域により密着し新しい時代のニーズに的確に対応した事業展開を図っていく必要がある。そのため、業務運営全般について適切な指導を行っていきたい。
人材配置についても、本人の適正などを十分勘案の上、適材適所により行われるよう指導していく。
モールを国際都市鹿島の中核施設として生かすため、県及び鹿島地区はもとより、県内各市町村が国際友好姉妹都市との芸術・文化交流の場としてもかけ声倒れにならないよう、地域の関係者による「モール運営協議会」といったものを設置すべきでは?
モールでは、既にフリーマーケットを開催。大型映像装置を使った絵画展や写真展の準備、商工・農林・観光などのフェアを計画している。国際友好都市との芸術、文化交流についても今後その具体化を検討。また、モール運営協議会設置などの体制の整備も図っていきたい。
駐車場の利用方法(パスポートセンターやインフォメーションサロン、モールに来た際の駐車料金)について住民から戸惑いの声が聞こえる。周知徹底を図るべきでは?
供用開始後、日が浅いこともありご存知なかった、という事では聞いている。今後その管理にあたっては、利用方法の周知徹底を図るとともに、地域の方々に利用しやすい施設になるよう努めてまいりたい。
鹿島セントラルホテル前の、国道124号と水郷有料道路などが交差するY字型の道路と歩道橋周辺では、これまでにもたびたび交通事故の発生を見ている。
新館の完成により交通量も増加してきている。当面は、ワールドカップ開催に向け事故発生を防止する交通安全対策に取り組むとしても、中長期的には道路体系の抜本的な見直し、整備が必要ではないか。
平成14年3月末までのワールドカップ関連道路の整備見通しは?
全体的におおむね順調に進んでいる。
■国道51号鹿嶋バイパス
新神宮橋(来年度供用予定)を含む残り区間について、国において重点的に整備が進められている。
■国道124号鹿嶋バイパス
県において積極的に整備を進めている
■県道鹿島港線など5路線
同じく県において積極的に整備を進めている
■市道
鹿嶋市において積極的に整備を進めている
鹿島地区の一部は、電波状態が悪く携帯電話の利用が出来ないことがある。
ワールドカップ開催時にふさわしい電話回線の整備が課題だと思うが。
現在、通信事業者においてその整備を検討中。鹿島地域一帯の情報通信基盤の一層の拡充が図られ、地域住民の利便性が向上するようにとの観点からも要望してまいりたい。
県内に宿泊滞在する観客が増加し、経済の面でも波及効果が高まるよう関係機関や団体と十分協議し、実効性を確保願いたい。
また、観客輸送にあたる鹿島臨海鉄道についても、東京からの直行便の受け入れ、運行便の増加、車両の増強、ホームの増設、待避車線の確保など検討すべきでは?
観客に1日でも長く滞在し周遊してもらうよう、観光ルートの設定や情報発信の方法などについて、関係機関・団体等と協議、調整をすすめていく。
鉄道輸送についても、鉄道・自家用車・バス等を組み合わせ、総合的な交通輸送対策を確立すべく、現在関係機関と協議、調整を進めている。東京直行の鉄道輸送も含め、今年度内に交通輸送計画を策定していきたい。
フーリガンの動向にかかる国際的な事前の情報収集、サッカー場内外の観客の行動を監視する映像システムと、暴動を抑制する防護柵などの施設整備、初動体制の構築等、幅広い対策が必要であると考える。
警備対策の検討状況と、その具体化の現状は?
警察庁を通じて事前に情報収集を行うとともに、映像システムの導入、入場経路の規制やグランド内への進入等を物理的に阻止する防護策等の装備資機材についても十分な対応が出来るよう、関係機関と準備を進めている。
観客輸送の安全と円滑化を図るため、交通規制もまた重要な課題と考えるが。
スタジアム周辺を規制ゾーンとして、バス以外の車両の乗り入れ制限等の交通規制の実施、光感知器や交通情報板によるカーナビ等を通じた、ドライバーに対する交通情報の提供、アクセス道路における信号機の整備等について、県及び道路管理者と緊密に連携をとりながら具体策を検討。
県土60分構想(県境の市町村からおおむね60分で結ぶ)に関し、新たな目標を設ける必要があるのでは?東関東自動車道水戸線の整備・進展に合わせかねてから提案している利根川リバーサイド道路の整備構想についての現在の取り組み状況は?
県土60分構想については、県長期総合計画の改訂に合わせ、見直し・検討をしていきたい。
利根川リバーサイド道路構想についても、これまで周辺地域の自然環境や土地利用状況等の調査を、利根川河口から上流部にかけて進めてきた。今年度は更に上流の潮来インターチェンジ周辺までの区域について実施していく。
北公共埠頭整備の進捗状況と、北公共埠頭の利用促進に密接に結びつく水深13メートル岸壁についての、今後の整備見通しは?
現在、水深10メートル岸壁や臨港道路の整備、航路のしゅんせつ、埠頭用地の造成工事等を進め、平成14年度中には岸壁と臨港道路を供用する予定。
水深13メートル岸壁については、今後の公共貨物取扱量の推移や、利用船舶の動向、利用者のニーズ等を把握しながら、国に対し早期着手を要望。
鹿島港を利用する港湾運送業者は全国規模で展開し、鹿島開発時1港湾1事業者でスタートするも、現在は規制緩和の流れの中で、免許を求めようとしている企業が数多くある。北公共埠頭の供用開始にあたり、船社・荷主に質の高いサービスを提供し鹿島港の競争力を高めつつ、地元の企業の活力を高めることができるような港湾の運営体制を整備していく必要があると考えるが。
北公共埠頭の運営については、次のような基本的な観点に基づき将来の体制を整備
①港湾利用者の利便性の向上が図られること
②鹿島港の競争力を高め、鹿島地域全体の振興に貢献できること
③地元企業の活動の場を確保できること
これらを踏まえ、港湾事業者のニーズを的確に把握し、港湾運送事業の免許権者である国をはじめ、関係機関と連絡調整を図りながら競争激化の時代に対応した運営体制を検討。